RTO REPORT / ANSWER
結論:16.8%と25.2%は、別の指標です。
国土交通省の令和7年度「テレワーク人口実態調査」では、雇用型テレワーカーの割合が25.2%、直近1年間のテレワーク実施率が16.8%でした。前者は「これまでにテレワークをしたことがある人」、後者は「調査年度の直近1年間に実施した人」を示します。
したがって、25.2%をそのまま現在の実施率と読んだり、16.8%を毎週テレワークしている人の割合と読んだりすることはできません。RTOの進み具合を考える最初の一歩は、この2つを分けることです。
RTO REPORT / DEFINITIONS
数字の違いを表で確認する
同じ調査の数字でも、問いが違えば表している状態も変わります。検索結果やニュース見出しで数字だけを見かけたときは、どの行の指標かを確認してください。
| 指標 | 数値 | 何を数えているか |
|---|---|---|
| 雇用型テレワーカーの割合 | 25.2% | 雇用型就業者のうち、これまでにテレワークをしたことがある人 |
| 直近1年間のテレワーク実施率 | 16.8% | 雇用型就業者のうち、調査年度の直近1年間にテレワークを実施した人 |
| 調査方法 | 有効40,000人 | 2025年10月に就業者を対象として実施したWEB調査 |
RTO REPORT / READING 168
16.8%は「毎週在宅勤務をする人」の割合ではない
16.8%は、雇用型就業者のうち、直近1年間にテレワークを実施した人の割合です。この見出しの数字からは、週あたりの頻度、毎月の継続性、フルリモートかハイブリッドかを読み取りません。
一方、25.2%は「経験したことがある」層を含むため、現在の頻度や継続性を直接示す指標ではありません。過去の経験を含む広い指標と、最近の実施を捉える指標を併記している点が、この調査を読むうえで重要です。
RTO REPORT / CHANGE
前年からは「減少一辺倒」ではない
令和7年度は、雇用型テレワーカーの割合が前年度から0.6ポイント増え、直近1年間のテレワーク実施率は1.2ポイント増えました。国土交通省は、コロナ禍後に続いていた減少から増加に転じ、安定基調で推移していると説明しています。
これは、出社回帰の動きが見られる一方で、テレワークが一方向に消滅しているわけではないことを示す材料です。ただし、公的調査の記述は実施率の変化を示すもので、企業のRTO方針がこの変化を引き起こしたという因果関係まで検証したものではありません。
RTO REPORT / RTO READING
RTOを読むときの3つのルール
同じ指標を年ごとに比べる
「経験したことがある人」と「直近1年間に実施した人」を混ぜず、同じ定義の系列で比較します。
実施率を頻度と取り違えない
実施率だけでは、週1日・週3日・一時的な実施を区別できません。ハイブリッドの広がりを論じるには、頻度を尋ねた別調査が必要です。
日本全体の数字を個別企業へ直結させない
職種、地域、企業規模、制度の有無で働く場所は変わります。全国値は全体像を読む基準であり、個別の出社命令の効果を測る数字ではありません。
RTO REPORT / WHAT IT SAYS
この調査から言えること、言えないこと
言えるのは、国土交通省の定義と対象のもとで、2025年10月に行われた調査では、過去にテレワークを経験した雇用型就業者が25.2%、直近1年間に実施した人が16.8%だったということです。前年から両方の指標が上がったことも、同じ条件で確認できます。
言えないのは、すべての会社でテレワークが増えたこと、どの働き方が生産性に優れること、またRTOが離職や業績をどう変えたかです。そうした問いには、企業別の制度資料や、働き方を比較した研究を別に確認する必要があります。
SOURCES / 出典
このページで確認した資料
- 国土交通省「テレワーク実施率、安定基調で推移」2026年3月24日公表。25.2%、16.8%、各指標の定義、調査方法を確認。
- 国土交通省「令和7年度 テレワーク人口実態調査-調査結果-」調査結果PDF。定義、標本、年度別・地域別の集計を確認。
公表元の定義・調査時点・分母を確認し、異なる調査の数値を同一指標として扱わないよう整理しています。